Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いえ
家
島崎 藤村
Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 748 caractères · 254 écrans
こういう話を母に残して置いて、やがて正太は別れを告げて行った。
一旦くれた嫁を取戻すとは何事だろう。この思想はお種に非常な侮辱を与えた。その時お種は、橋本の家に伝わる病気を胸に浮べた。何かにつけて、彼女は先ずその事を考えた。「あんな親子には見込が無い――」などと豊世の生家から指を差されるのも、唯、女に弱いからだと考えられた。
「だから、私が言わないこっちゃ無い――」
とお種は独りで嘆息して了った。彼女は豊世を抱いて泣きたいような心が起って来た。そして皆な一緒にどうか成って了うような気がした……
「橋本さん――貴方はそんな頭髪をしていらっしゃるから旦那に捨てられるんです」
お種が部屋を出て、二階の欄干から温泉場の空を眺めていると、こんな串談を言いながら長い廊下を通る人が有った。隣室の客だ。林夫婦は師走の末に近くなって復た東京から入湯に来ていた。
豊世と一緒に成った頃から、お種は髪を結う気も無く、無造作に巻きつけてばかりいたが、男の口からこんな言葉を聞いた時は酷く気に成った。
「捨てられたと思って貰うと、大きに違う……私は旦那に捨てられる覚えは無いで……」