Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いえ

家

島崎 藤村

Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 748 caractères · 254 écrans

Aozora Bunko

何卒して彼の思うことも遂げさして遣りたいものですよ」

身内のものの噂は自然と宗蔵のことに移った。

「宗さんですか」とお倉はさもさも厄介なという風に、「世話してくれてる人がよく来て話します。まあ心はどれ程御強健なものか知れませんなんて……こういう中でも、貴方、月々送るものは送らなけりゃ成りません。森彦さんも御大抵じゃ有りませんサ」

「彼は小泉の家に附いた厄介者です。どうしてまたあんな者が出来たものですかサ」

「もう少し病人らしくしていると可いんですけれど、我儘なんですからねえ――森彦さんはああいう気象でしょう、真実に宗蔵のような奴は……獣ででもあろうものなら、踏殺してくれたいなんて……」

お倉やお種が笑えば、お俊も随いて笑った。この謔語は、森彦でなければ言えないからであった。

やがて別れる時が来た。

「三吉さんの許へいらっしゃいましたら、俊や鶴のことを宜敷御願い申しますッて、そう仰って下さい……何卒……」

こう力を入れて頼むお倉の言葉を聞て、お種は小泉の家を出た。

東京を発つ朝は、お種は豊世やお俊やお鶴などに見送られた。豊世は幾度か汽車の窓の下へ来て、涙ぐんだ眼で姑の方を見た。