Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いえ
家
島崎 藤村
Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 748 caractères · 254 écrans
谷を耕地に宛てたこと、山の傾斜を村落に択んだこと、村民の為に寺や薬師堂を建立したこと、すべて先祖の設計に成ったものであった。土地の大半は殆んど小泉の所有と言っても可い位で、それを住む人に割き与えて、次第に山村の形を成した。お倉が嫁いて来た頃ですら、村の者が来て、「旦那、小屋を作るで、林の木をすこしおくんなんしょや」と言えば、「オオ、持って行けや」とこの調子で、毎年の元旦には村民一同小泉の門前に集って先ず年始を言入れたものであった。その時は、祝の餅、酒を振舞った。この餅を搗だけにも、小泉では二晩も三晩もかかって、出入りの者がその度に集って来た。「アイ、目出度いのい」――それが元日村の衆への挨拶で、お倉は胸を突出しながら、その時の父や夫の鷹揚な態度を真似て見せた。
この「アイ、目出度いのい」は弟達を笑わせた。
「真実に、有る物は皆な分けてくれて了ったようなものですよ」とお倉は思出したように、「それが旧からの習慣で……小泉の家はそういうものと成っていましたから……吾夫もね、それも未だ少壮い時に、どうでもこうでも小泉の旦那に出て貰わんければ、村が治まらないなんて言われて、村長にまで引張り出されたことが有りましたよ。