Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いえ

家

島崎 藤村

Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 748 caractères · 254 écrans

Aozora Bunko

と稲垣は縁側から顔を出して尋ねた。

「ええ、今し方まで……」とお倉は笑いながら答える。

「オイ、稲垣君、君は細君を掃出したなんて――今、細君が愁訴に来たぜ」と宗蔵も心やすだてに。

「いえ――ナニ――」と稲垣は苦笑して、正直な、気の短かそうな調子で、「少しばかり衝突してネ……彼女は口惜紛れに笄を折ちまやがった……馬鹿な……何処の家にもよくあるやつだが……」

「子供が有るんで持ったものですよ」とお倉は慰め顔に言って、寂しそうな微笑を見せた。

木曾の姉からの写真を見た後、実は奥座敷へ稲垣を呼んで、銀行の帳簿を受取ったり、用向の話をしたりした。

稲垣は出て行った。実は更に三吉を呼んで、弟の為に結婚の話を始めた。

三吉も結婚期に達していた。彼の友達の中には、最早子供のある人も有り、妻を迎えたばかりの人も有り、婚約の定まった人も有った。大島先生という人の勧めから始まって、彼の前にも結婚の問題が起って来た。その縁談を実が引取て、大島先生と自分との交渉に移したのである。

三吉の過去は悲惨で、他の兄弟の知らないような月日を送ったことが多かった。実が一度失敗した為に、長い留守を引受けたのも彼が少壮な時からで、その間幾多の艱難を通り越した。