Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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よせとしばいと

寄席と芝居と

岡本 綺堂

Lisez 寄席と芝居と (よせとしばいと) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 26 084 caractères · 52 écrans

Aozora Bunko

黙阿弥などの作には自己の創意が多量に加わっているのが多い。そんなわけであるから、江戸末期から明治の初年にわたる各種の世話狂言について、一々その出所を寄席の高坐に求めることになると、おそらく其の多きに堪えないであろう。

六 柳桜と燕枝

黙阿弥の作でしばしば上演を繰り返される世話狂言の一つに「髪結新三」がある。五代目菊五郎が初演以来の当たり狂言で、六代目も幾たびか舞台の上に復活している。書きおろしは明治六年、中村座の六月興行で、名題は「梅雨小袖昔八丈」という。原作は四幕十一場であるが、大詰の町奉行所などは初演だけにとどまって、再び舞台にのぼらない。

誰も知るごとく、この劇の見せ場は二幕目の深川富吉町新三宅の場で、菊五郎の新三と中村仲蔵の家主長兵衛が大好評を博したのである。作としても黙阿弥の作中で屈指の傑作と称せられている。しかもこれは黙阿弥の創作ではなく、やはり寄席の高坐から移植されたもので、春錦亭柳桜の人情話である。

柳桜は名前を柳叟と云ったように記憶している。江戸末期から明治の中期にわたる人情話の真打株で、円朝ほどに華やかな人気はなかったが、江戸以来の人情話の本道を伝えているような、手堅い話し口であった。