Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さむはし

寒橋

山本 周五郎

Lisez 寒橋 (さむはし) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 416 caractères · 36 écrans

Aozora Bunko

それは疑いもなく二人の仲を立証する言葉だった。

――本当だろうか、……いやそんな筈はない、あのひとがおたみにそんなことをする筈がない。

そう思えば思うほど、お孝にも幾つか疑わしい記憶がよみがえってきた。有明行燈の消えていた夜のこと、袖垣の蔭で良人と二人きりでおたみが泣いていたこと、それから良人が来てからのおたみのなまめいたようすや、じっと良人をみるしおのある眼つきなど。

そうしてとうとう耐えかねて、六日めの夜になって、お孝は良人にそのことをきいた。この瞬間に自分の生き死にがきまるという気持であった。

「本当のことを云って頂戴、あたしおちついて聞くから、……ねえ、決して騒いだりなんかしないから、本当のことを聞かして頂戴」

時三は黙って自分の膝を見ていた。こころもち額が白くなったようである、それからやや暫くして、呟くように云った。

「――済まない、勘弁して呉れ」

「いいわよ勘弁して呉れなんて、いいのよそんなこと」

お孝は慌てて笑いながら遮った。自分でもふしぎなくらい明るい笑いかたで、寧ろうきうきした調子でさえあった。

「本当のことがわかればいいの、それで、……おたみはいつごろお産するの」