Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しょうせつのないようろん

小説の内容論

豊島 与志雄

Lisez 小説の内容論 (しょうせつのないようろん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 097 caractères · 8 écrans

Aozora Bunko

それを両者に分解するは、優れたる批評家の眼力に俟つの外はない。然し私は、論旨を進める便宜のために、今かりに両者を区別してみた。

さて、本論の最初に立ち戻ってみる。作品の書かれたる内容を、即ち具体的内容を問題となすべき時期に、吾が文壇は辿りついていると私は思う。

一般的に云って、表現の技巧が可なり進んでることは事実である。云い換えれば、文壇の水準線が高まったのである。毎月発表される多くの作品を見ても、その技巧の方面に於て大なる欠陥を有するものは、極めて稀である。所謂新進作家の作品を見れば、この感が殊に深い。更に、各種の投書的作品を見ても、これは明かに感ぜられる。それらの作品は、みな可なりうまいものであり、更にその「うまさ」なるものが、表現の技巧のうまさであることを考える時、吾が文壇の技巧的水準線が、如何に高まったかは明かであろう。実際文壇に出ている多くの作家は、その表現の技巧に於て、可なりに確実な腕前を有している。大概の材料はこなせるだけの手腕を有している。

また一方に、批評界の方では、表現の技巧を以て作品の価値の標準としている。技巧の巧拙を云々することが、批評の唯一の役目であるかの如き観がある。