Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
Lisez 尾崎士郎短篇集 (あきかぜとはは) de 尾崎 士郎 (おざきしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 108 032 caractères · 216 écrans
ぽつりぽつりとしゃべる相川の顔にも憔悴の色がうかんでいる。現在の私たちにとっては、戦って死ぬことを考えるだけでも、どんなに幸福であるか知れないのだ。唯、空を見あげているあいだだけ、祖国の感激につながる崇高な思いが胸をかすめる。しかし、それも一瞬間で消え去ってしまうと、前に伸びてゆく心がたちまち中途で絶ち切られてしまうのだ。そういえば、この十日あまり、香水と脂粉を忘れた女たちのたるんだような顔が妙に醜いものに見えてきてならぬ。女の美しさというものは男を信じ、男にたよりきったところから生れる。それがこの味気ない生活の中では絶えず物におびえながら、虫けらのようにひとりぼっちの自分を支えていなければならぬ。夜は、便所に立ってゆくと、廊下に乾してある濡れたおしめでひやりと頬を撫でられることがある。その、ぞくぞくっと来る悪寒の中に生々しい現実がどっしりと根をおろしているのだ。
午後四時頃、門前にバスが着いて、倶楽部の収容所から移された女や子供たちが四十二名ぞろぞろとおりてきた。薄闇の中で顔やかたちはハッキリわからなかったが、一様に髪を束ねている女の表情はみんな同じように見える。