Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いけぶくろのみせ
山之口貘詩文集
山之口 貘
Lisez 山之口貘詩文集 (いけぶくろのみせ) de 山之口 貘 (やまのくちばく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 44 477 caractères · 93 écrans
酒屋は、橋の手前の陰気な店だった。橋を渡ると同時に小男は酒屋を振り返りもういいもういいと呟いていた。
実に、木製のかんじの、痩せて血の気のない小さな容貌だった。よだれらしいじめじめしたものさえ光っていて、よく見れば見るほどに小さく消えてゆくもののように小汚ない小男だった。六さんの言うところに依れば、彼奴も船頭なんだがその腕前ときたら危なっかしくて見ちゃおれないと言う。現在なお、船のこと一切は、オヤジに世話をやかせている程で、女房も温なしい女房を持っていながら、オヤジさんも共に船に置きっ放しで、彼奴はああして街中飲み歩いている馬鹿野郎だと言うのだった。
通門票を示し、鋼管の門内へ這入ると、夜業している職工達があった。彼等は熔鉱炉の火にほてった真赤な半身を、夜の暗さに塗りたくるように働いていた。その近くを右へ曲ると、熔鉱炉のほとぼりで酔いが再び燃えさかるのだった。
潮風に吹かれながら、ダルマからダルマへ渡り、一パイ、二ハイ、三バイ、四ハイ、五ハイと数えて、僕らの水神丸だ。船に着くと、六さんは岸壁を振り返って舌打ちした。
なるほど、制服の守衛が、直立の姿勢で岸壁の方からこちらの様子を見ているのだった。