Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さんけいにいくるひとびと
山谿に生くる人々
葉山 嘉樹
Lisez 山谿に生くる人々 (さんけいにいくるひとびと) de 葉山 嘉樹 (はやまよしき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 699 caractères · 67 écrans
そこから、七八丁の下流に「緑屋」という、旅館兼下宿、たばこ、雑貨、酒、ビール、罐詰、菓子、鯉、等々、つまり何でもある店がある。
緑屋は、そこへ四十年前から、トグロを捲いていた。まったく、トグロを捲いていた、と言っても、非常に失礼に当るとは思われないような、急峻な、恐らく千尺もあろう山の真下に建っていた。
しかし、その山が、途方もなく急嶮であるにも拘わらず、とにかく、四十年の間は、安全であった。植物の密生に依って、山肌が蔽われていたからである。
その緑屋の、十五六間位の上を、鉄道線路が通るために、山を切り取らねばならなかった。「切り取る」と一口に言っても、普通の土ではなく、堅緻な岩であった。
山の表皮を犯すために、草木を伐採したのは今から半年も前の事だった。次には岩石に穴を穿って、ハッパをかけるのだった。
真下に「緑屋」さえなければ、ドカンドカンと大ハッパで、山を崩せるのだったが、そうは行かなかった。
そうでなくてさえ、ハッパの石が飛んで、緑屋の屋根へ穴を明けたのは、一度や二度ではなかった。
そのたんびに、勝気で伝法肌な、緑屋のおかみは、表へ飛び出して、真上の山を見上げて、