Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おぐらいけのはす

巨椋池の蓮

和辻 哲郎

Lisez 巨椋池の蓮 (おぐらいけのはす) de 和辻 哲郎 (わつじてつろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 016 caractères · 12 écrans

Aozora Bunko

どうも音なんぞはしないらしい。

それでは、さっきの音は何であろうか。また舟を進めながら、しきりに近くの蕾に注意していると、偶然にも、最初の一ひらがはらりと開く場合にぶつかることがある。いかにもなだらかにほどけるのであって、ぱっと開くのではない。が、それとは別に、クイというふうな短い音は、遠く近くで時々聞こえてくる。何だかその頻度が増してくるように思われる。それを探すような気持ちであちこちをながめていると、水面の闇がいくらか薄れて来て、池の広さがだんだん目に入るようになって来た。

私たちのそういう騒ぎを黙って聞いていて口を出さない船頭に、一体音のすることがあるのかと聞いてみると、わしもそんな音は聞いたことがないという。蓮の花は朝開くとは限らない。前の晩にすでに開いているのもある。夜中に開くのもある。明け方に音がするというのは変な話だという。そういわれてみると、蓮の花が日光のささない時刻に、すなわち暗くて人に見えずまた人の見ない時刻に、開くのであるということ、そのために常人の判断に迷うような伝説が生じたのであるということが、やっとわかって来た。もちろん、日光のほかに気温も関係しているであろう。