Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ききょらい

帰去来

太宰 治

Lisez 帰去来 (ききょらい) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 477 caractères · 31 écrans

Aozora Bunko

見ると、改札口に次兄の英治さんが立っている。笑っている。

私は、十年振りに故郷の土を踏んでみた。わびしい土地であった。凍土の感じだった。毎年毎年、地下何尺か迄こおるので、土がふくれ上って、白っちゃけてしまったという感じであった。家も木も、土も、洗い晒されているような感じがするのである。路は白く乾いて、踏み歩いても足の裏の反応は少しも無い。ひどく、たより無い感じだ。

「お墓。」と誰か、低く言った。それだけで皆に了解出来た。四人は黙って、まっすぐにお寺へ行った。そうして、父の墓を拝んだ。墓の傍の栗の大木は、昔のままだった。

生家の玄関にはいる時には、私の胸は、さすがにわくわくした。中はひっそりしている。お寺の納所のような感じがした。部屋部屋が意外にも清潔に磨かれていた。もっと古ぼけていた筈なのに、小ぢんまりしている感じさえあった。悪い感じではなかった。

仏間に通された。中畑さんが仏壇の扉を一ぱいに押しひらいた。私は仏壇に向って坐って、お辞儀をした。それから、嫂に挨拶した。上品な娘さんがお茶を持って来たので、私は兄の長女かと思って笑いながらお辞儀をした。