Classiques japonais avec furigana
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げんだん
幻談・観画談 他三篇
幸田 露伴
Lisez 幻談・観画談 他三篇 (げんだん) de 幸田 露伴 (こうだろはん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 80 544 caractères · 161 écrans
ハテナ、あの辺か知らんと、その別の音のする方の雨煙濛たる見当へ首を向けて眼を遣ると、もう心安げになった蔵海がちょっと肩に触って、
あの音のするのが滝ですよ、貴方が風呂に立てて入ろうとなさる水の落ちる……
といいさして、少し間を置いて、
雨が甚いので今は能く見えませんが、晴れていればこの庭の景色の一ツになって見えるのです。
といった。なるほど庭の左の方の隅は山嘴が張り出していて、その樹木の鬱蒼たる中から一条の水が落ちているのらしく思えた。
夜に入った。茶の間に引かれて、和尚と晩成先生と蔵海とは食事を共にした。なるほど御馳走はなかった。冷い挽割飯と、大根ッ葉の味噌汁と、塩辛く煮た車輪麩と、何だか正体の分らぬ山草の塩漬の香の物ときりで、膳こそは創だらけにせよ黒塗の宗和膳とかいう奴で、御客あしらいではあるが、箸は黄色な下等の漆ぬりの竹箸で、気持の悪いものであった。蔵海は世間に接触する機会の少いこの様な山中にいる若い者なので、新来の客から何らかの耳新らしい談を得たいようであるが、和尚は人に求められれば是非ないからわが有っている者を吝みはしないが、人からは何をも求めまいというような態度で、別に雑話を聞きたくも聞かせたくも思っておらぬ風で、食事が済んで後、少時三人が茶を喫している際でも、別に会話をはずませる如きことはせぬ