Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かげをふまれたおんな

影を踏まれた女

岡本 綺堂

Lisez 影を踏まれた女 (かげをふまれたおんな) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 608 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

病人も御覧の通りで、もう心配することはありませんから。」と、大野屋の伯母は言った。

宵ではあるが、年の暮れで世間が物騒だというので、伯母は次男の要次郎に言いつけて、おせきを送らせてやることにした。お取り込みのところをそれには及ばないと、おせきは一応辞退したのであるが、それでも間違いがあってはならないと言って、伯母は無理に要次郎を付けて出した。店を出るときに伯母は笑いながら声をかけた。

「要次郎。おせきちゃんを送って行くのだから、影や道陸神を用心おしよ。」

「この寒いのに、誰も表に出ていやしませんよ。」と、要次郎も笑いながら答えた。

おせきが影を踏まれたのは、やはりここの家から帰る途中の出来事で、かれがそれを気に病んでいるらしいことは、母のお由から伯母にも話したので、大野屋一家の者もみな知っているのであった。要次郎はことし十九の、色白の痩形の男で、おせきとは似合いの夫婦といってよい。その未来の夫婦がむつまじそうに肩をならべて行くのを、伯母はほほえみながら見送った。

一応は辞退したものの、要次郎に送られて行くことはおせきも実は嬉しかった。これも笑いながら表へ出ると、煤掃きを済ませて今夜は早く大戸をおろしている店もあった。