Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かれがころしたか

彼が殺したか

浜尾 四郎

Lisez 彼が殺したか (かれがころしたか) de 浜尾 四郎 (はまおしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 41 336 caractères · 83 écrans

Aozora Bunko

今から思えば、きざの極みだが、俺は当時「ヴェルテルの悲しみ」をレクラム版で求めて之を常に懐中して、ならいたての独逸語だから読める筈はないのに、時々開いては、ため息をついて居たものである。

おお当時のヴェルテルは、今やロッテを呪わずには居られないのだ。

或る夕、東京の或る町を歩きながら道子夫人は俺にこう云った事がある。

「私、一郎さんのような人ほんとにすきよ。ほんとにすきよ。あなたのような方の奥さんになる方、どんなに幸福でしょう」

ああおそい、何故早くそう云ってはくれなかったんだ、俺は愚かにも――然り千万遍も愚かにも――この言葉をこういう風に解し、こういうように心の中で叫んだものである。しかし、若い青年の心に、この不用意な、若くは極めて巧みに巧まれた、この言葉が、こうひびくのがどうしておかしかろう。

或る時は又こういう事もあった。

或る友人の家にブリッジをしに行った時、道子夫人も亦加わったが、夕方五時頃に彼女は、

「私もう帰るわ」

と云って席を立とうとした。

丁度其の時俺も帰る気になったので、俺はその友人に、僕も失礼するという事を云って、立上りかけた。