Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ごちそうのはなし

御馳走の話

中谷 宇吉郎

Lisez 御馳走の話 (ごちそうのはなし) de 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 746 caractères · 6 écrans

Aozora Bunko

一 正月の御馳走

一 正月の御馳走

正月の御馳走というと、いつでも思い出す話がある。それは小林勇君が、露伴先生から聞いた話である。

大分前のことであるが、或る正月に、小林君が露伴先生のお宅を訪れたときの話である。多分昆布巻、数の子、田作という、昔ながらの品々が、膳の上に並んでいたのであろう。それをつまみながら、例によって無遠慮な男のことであるから、「正月の御馳走といえば、どうしてこう不味いものばかりなんでしょうね」と聞いたというのである。そしたら先生が「そうじゃないよ。これが昔は御馳走だったんだよ」といわれたそうである。

この話を聞いて、すぐ頭に浮んだのは、私たちが子供時代に食べていた食い物のことである。北陸の片田舎のことであるから、ふだんは、ずいぶん貧しいものを食っていた。それで、黒い昆布巻、黄色い数の子、紅を塗ったはんぺん、輪切りにした蜜柑などが、重箱の中にいっぱい並んでいるのは、いかにも綺麗であった。母がその重箱を持ってきて、皆の前で蓋を取ったとたんに「ああ、綺麗だな」と子供心に思ったことを、今頃になって思い出した。

正月の料理はあれでなかなかよくできているので、昆布には沃素と加里があり、田作にはカルシウムと燐がある。