Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おたか
御鷹
吉川 英治
Lisez 御鷹 (おたか) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 767 caractères · 18 écrans
五
外へ出てほっと顔を見合せた。
明るい霜解けの道に、一足先に屋敷を出たお悦のうしろ帯が見える。――弓町は、凝と、見つめながら歩いていたが、顔を寄せて、
『新五左。……あの娘、妊娠って居りはせんか?』
『まさか』
『いや』
自信のある首の振り方だった。
『……どうも、わしの眼では、そう見えるが』
『どうして』
『歩き方を見ても』
『霜解けのせいじゃよ。あの厳しい白翁の眼を見たか、まるで御鷹だ、なんであの眼の蔭でお息女にそんな……』
草履の裏に粘りつく黒土によろめきながら、新五左が、強情を張った。
五
『お留守? ……。どちらへと仰しゃってお出かけでしたか』
『何もお告げにならずに』
と、小柴家の召使は云う。
お悦とこの屋敷とは、もう一つ家のようにしていた。角三郎が自分の屋敷へ来た時も同じである。
『黙って? ……。それなら、きっとお帰りなんでしょう』
庭へまわって来て、角三郎の部屋の縁に腰をやすめ、夫婦になって生活す日の陽ざしをうっとりと思ってみる。
御鳥見組のうちでは――いや今まで知った男性のうちでは――誰よりも彼の人はすぐれていると彼女は思う。結婚した長い後になっても、彼の人ならば悔いを咬むことはあり得ないと思う。