Classiques japonais avec furigana
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ちゅうぼく
忠僕
池谷 信三郎
Lisez 忠僕 (ちゅうぼく) de 池谷 信三郎 (いけたにしんざぶろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 898 caractères · 6 écrans
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主人は、これで良い、と思った。これでこの男も真人間になれる。
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竹材を一杯積んだトラックが、川に沿った街道をガタガタと走って行った。
代金を受取った久助は、丸久の店を出るとそのまま、銀行の前をさっさっと通り越して、真直ぐに駅の方へ歩いて行った。彼はそこで東京行の切符を買った。
箱根の山が、車窓の外でグルグル廻っていた。
俺が無事に今日の役目を果して帰れば、あの若主人の信念はますます固くなるばかりだ。これであの人も、人を信ずる事の愚かさを知る事が出来ただろう。そう思えばこんな三四百の金なんか安いもんだ。これであの竹林も、山葵畠も、皆んな無事に済むのだから。
そして久助は、出がけに彼の眼瞼を熱くした、あの不覚の涙に溺れなかった為に、今こうやって自分が、朋輩の誰よりかも、一番忠僕になれた事を考えて、鮎ずしを頬張りながら、思わずひとりで微笑んだ。