Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いかりのむし
怒りの虫
豊島 与志雄
Lisez 怒りの虫 (いかりのむし) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 457 caractères · 24 écrans
別れようと僕に言わせたいんでしょう。そんならそれでよろしい。御随意になすって下さい。」
ぐるぐる歩いて、それから炬燵に半身を入れて仰向きに寝そべった。
≪俺は何を言ってるんだ。肉体に訣別して、そしてなにかしら精神的な愛情を求めて、あっぷあっぷしてるんじゃないか。それがどうして言葉に言い現わせないのか。なぜ率直に彼女に言えないのか。≫
由美子の手が伸びてきて、彼は引き起された。
「別れるなら別れると、はっきり致しましょう。ふてくされた真似は、わたしいやですわ。」
「僕もいやです。」
「そんなら、どうなんですの。」
「理屈も僕はいやです。同じことを繰り返すのもいやです。あなたと別れるのもいやです。何もかもいやです。僕は自分自身までいやになってるんです。腹を立てさせないで下さい。」
めちゃくちゃだった。ただもう酒を飲むより外はなかった。
「それでは、今迄通りでよろしいんですね。」
話は少しも進展せず、また同じようなことが繰り返された。するうちに、木山はふいに言い出した。
「僕は決心しています。塚本さんに逢ってみるつもりです。」
由美子は顔色を変えた。
「あなたが、まあ、そんなことを……。