Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おもいでぐさ
思い出草
岡本 綺堂
Lisez 思い出草 (おもいでぐさ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 303 caractères · 11 écrans
後に思えば例の三馬の『浮世風呂』をそのままで、茶を飲みながら将棋をさしている人もあった。
時は丁度五月の始めで、おきよさんという十五、六の娘が、菖蒲を花瓶に挿していたのを記憶している。松平紀義のお茶の水事件で有名な御世梅お此という女も、かつてこの二階にいたということを、十幾年の後に知った。
その頃の湯風呂には、旧式の石榴口というものがあって、夜などは湯烟が濛々として内は真暗。加之その風呂が高く出来ているので、男女ともに中途の蹈段を登って這入る。石榴口には花鳥風月もしくは武者絵などが画いてあって、私のゆく四丁目の湯では、男湯の石榴口に『水滸伝』の花和尚と九紋龍、女湯の石榴口には例の西郷・桐野・篠原の画像が掲げられてあった。
男湯と女湯との間は硝子戸で見透すことが能た。これを禁止されたのはやはり十八、九年の頃であろう。今も昔も変らないのは番台の拍子木の音。
五 紙鳶
春風が吹くと、紙鳶を思い出す。暮の二十四、五日頃から春の七草、即ち小学校の冬季休業の間は、元園町十九と二十の両番地に面する大通り(麹町三丁目から靖国神社に至る通路)は、紙鳶を飛ばす我々少年軍に依て殆ど占領せられ、年賀の人などは紙鳶の下をくぐって往来した位であった。