Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あやしのもの

怪しの者

国枝 史郎

Lisez 怪しの者 (あやしのもの) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 259 caractères · 25 écrans

Aozora Bunko

それじゃア……」

「何がさ」

「隣の部屋に紅裏の布団が敷いてあるってことさ」

「ばからしい、……わたしゃア小母様が病気だから、ちょっと見舞いに行って来るといって、お暇をいただいて来たんだよ」

「ありもしない小母様に病気をさせて、情夫に逢いに来るなんて、隅に置けない歌舞伎者さ」

「その歌舞伎者で心配になったよ。行き倒れ者に自分を仕組んで、持田様へ抱え込まれ、ずるずるべったりに居ついてしまって、お嬢様をたらしたあの鶴吉、わたしの居ない間に、二番狂言でも仕組んで、わたしたちを出し抜きゃアしないかとねえ」

「それじゃアすぐに帰る気か」

「どうしよう」

「じらすのか。……それともじれているのか……」

「あれ、痛いよ」

見る眼に痛い絵模様となりましたので……。

七

相変らず菰をかむり、竹の杖をつき、面桶を抱えた、乞食のわたしが、庄内川の方へ辿って行きましたのは、それから五日後の夜のことでした。

化け物屋敷の前まで来ました。

一町四方もある、宏大なお屋敷は、樹木と土塀とで、厳重に囲まれておりまして、外から見ますると、内部の建物は、家根さえ見えないほどなのでございます。