Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かいとうおう
怪塔王
海野 十三
Lisez 怪塔王 (かいとうおう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 167 635 caractères · 337 écrans
3
甲板の上へ出ると、なにかたいへんなことがあるというしらせです。塩田大尉は小浜兵曹長をひきつれて、すぐさま昇降口をかけあがりました。
軍艦淡路の甲板の上からは、いつに変らぬ九十九里浜の長い汀がうつくしく見えていました。
だが、塩田大尉の目には、べつにたいへんらしいこともうつりませんでした。
「小浜兵曹長、たいへんとは一体何がたいへんなのか」
すると兵曹長は、大尉の前へ腕をのばして海岸の方をゆびさしました。
「塩田大尉、あれをごらんください。あそこにたっていた塔が、どこかへ姿を消してしまったではありませんか」
「なに、塔が姿を消したって。誰がそんなばかばかしいことを本当にするものか」
「いや、そのばかばかしいことが本当に起ったのです。では塩田大尉には、あの塔が見えるのでありますか」
「見えないはずはない、あの塔は、あの辺にたしかにあったと思ったが――」
と、塩田大尉は甲板の上から、小手をかざし、かねて覚えのある場所をしきりにきょろきょろと眺めましたが、どうしても塔が見えません。
(変だな、たしかあの林のそばに建っていたと思うが、見えないとはどういうわけだ)