Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かいいくろひめおろし

怪異黒姫おろし

江見 水蔭

Lisez 怪異黒姫おろし (かいいくろひめおろし) de 江見 水蔭 (えみすいいん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 963 caractères · 26 écrans

Aozora Bunko

それも併し、時の過ぎるに従って、昼間のつかれに二人とも、居眠りせずにはいられなかった。

高田殿は広き白紗の蚊帳の中で、身を悶悩させずにはいられなかった。眼はただ一人助かったなれど、その代り右の手の甲を毒虫に螫されたので、それがいつまでも痛痒くて何んとしても耐えられぬのであった。

それにいつの間にやられたのか、その手の甲と同じように、背筋にも痛痒さを覚えるので、それを自から掻こうとしても、手の先は巧く思う壺に達せぬ事を怠緩しがった。

それや、これや、中々に眠りに就けなかった。寝られぬままに考えると、怪しき事のみ今日は多かった。

大田切の路傍で見た旅商人の若衆、関川で見た巡礼の若衆、最後に黒姫山の裾野で見た武家若衆。同じ人か。別の人か。三ヶ所で見たのは、扮装は別々ながら、いずれも高田城内に忍び込んだ怪しき若者にそのままで有った。もしやその由緒の者が怨恨を晴らさん為に、附狙うのではあるまいか。そう思うと又してもぞっとして、全身を悪寒をさえ生じたのであった。

背筋の痒さは一層強く覚え出した。いかに身を悶悩さして、敷蒲団に擦付けても、少しも思うように痒さは癒えぬのであった。