Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こいのでんしちろう

恋の伝七郎

山本 周五郎

Lisez 恋の伝七郎 (こいのでんしちろう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 650 caractères · 60 écrans

Aozora Bunko

蒔かぬ種子まで苅らされる運

酔いのためだが自分ではそう気がつかない、この意気で乗込んでやろうと思うと、一世一代の勇気が湧いてきた。……上ろうとしたら長兄の平助が廊下の向うからやって来て、「ばかに早いじゃないか」と珍しくあたりまえな調子で呼びかけた、「ええ早朝稽古に道場へゆこうと思いまして」と、こちらも大いに張のある返辞をした。いい心持である、そのまま厨へいって、炊きたての飯で塩むすびを拵えさせ、水を呑みながら三つばかり頬張ると、着替えをして、颯爽と屋敷を出ていった。

蒔かぬ種子まで苅らされる運

伝七郎は頻りに汗を拭いている、相対して坐った沖田源左衛門は、いま聞いた客の言葉に茫然として、頓には挨拶の文句も浮かばない。なにしろ寝ていたところを起されて、いきなり、「お嬢さんを嫁に欲しい」というのである。うっかりしているところを面へ一本、それも痛烈なやつを打込まれた感じで、うんと云ったきり絶句してしまった。そして次には、そこに四角張って坐り、例の不細工な顔をむやみに緊張させて、返辞いかにと固くなっている伝七郎の恰好を見ると、こんどは擽られるようにおかしくなり、危く失笑しそうになったので、慌てて空咳をしながら、「よくわかりました」