Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きょうふのくちぶえ

恐怖の口笛

海野 十三

Lisez 恐怖の口笛 (きょうふのくちぶえ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 60 713 caractères · 122 écrans

Aozora Bunko

「あら、改まってお礼を仰有られると困るわ。――だけど勉強していただきたいわ、あたしが紹介した、その名誉のためにもネ」

「ええ、僕は気紛れ者で困るんですが、芸の方はしっかりやるつもりですよ」

「頼母しいわ。早くうまくなって、あたしと組んで踊るようになっていただきたいわ」

「まさか――」

と一郎は笑ったが、ジュリアの方はどうしたのか笑いもせず、夢見るような瞳をジッと一郎の面の上に濺いでいたが、暫くしてハッと吾れに帰ったらしく、始めてニッコリと頬笑んだ。

「ホ、ホ、ホ、ホ……」

一郎はジュリアの美しさを沁々と見たような気がした。ただ美しいといったのではいけない、悩ましい美しさというのは正にジュリアの美しさのことだ。帝都に百万人のファンがあるというのも無理がなかった。一郎はいつか外国の名画集を繙いていたことがあったが、その中にレオン・ペラウルの描いた「車に乗れるヴィーナス」という美しい絵のあったのを思い出した。それは波間に一台の黄金づくりの車があって、その上に裸体の美の女神ヴィーナスが髪をくしけずりながら艶然と笑っているのであった。そのペラウルの描いたヴィーナスの悩しいまでの美しさを、この赤星ジュリアが持っているように感じた。