Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きょうふおう

恐怖王

江戸川 乱歩

Lisez 恐怖王 (きょうふおう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 66 038 caractères · 133 écrans

Aozora Bunko

蘭堂はそれを見送りながら、声をかける気力もなく、三十分程もウトウトしていた。身体の節々が抜けて行く様な、快さにひたっていた。

女中が新聞とコーヒーを枕元の小卓へ置いて行ってくれたのも、夢の中の様におぼろげであった。

長い間かかって、やっと意識がハッキリすると、彼は毎朝の習慣に従って、枕元の新聞を取った。

重いカーテンがおろしてあるので、寝室は夕暮れの様に薄暗かった。

彼は卓上の電燈をひねって、夜の光線で新聞を読み始めた。

「ゴリラ男」脱走す

昨夜深更○○病院から

全市に非常警戒

四段抜きの大見出しが、彼の目に飛びついて来た。

記事はただ病中のゴリラ男が脱走して行衛知れずという丈けで、詳しいことは分らなかったが、考えて見ると、首領恐怖王から毒薬注射を受けたのちのゴリラである。再び首領の前に頭を下げて行く筈はない。愚かものの彼とても、それ位のことは分っているだろう。

イヤ、愚かものである丈けに、我身の危険などは顧みず、ただ恨みに燃えて、同類を裏切った首領に仇を報いようとするかも知れない。

「ゴリラの脱走を聞いて震え上るのは、一般市民でなくて、寧ろ彼の首領の恐怖王その人ではあるまいか」