Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きょうふおう

恐怖王

江戸川 乱歩

Lisez 恐怖王 (きょうふおう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 66 038 caractères · 133 écrans

Aozora Bunko

鳥井青年

実に不思議だ。

気の迷いかしら。何か奇妙な偶然が、わしにあんな幻視と幻聴を起させたのかしら。それとも、なき娘の幽魂が、冥途をさまよい出て、夜の暗さにまぎれ、懐しい父に逢いに来たのであろうか。

庄兵衛氏は、通り魔の様に、彼の目をかすめて消え去った娘の姿を、何と解釈してよいのか、途方にくれてしまった。

余り馬鹿馬鹿しい様なことなので、自宅に帰っても、夫人の園子に打明けることを差控えた。つまらぬことを云い出して、又母を泣かせるでもないと思ったからだ。

「お父さま、助けて……」と叫んだ娘の声が耳について、ひどく気掛りではあったが、まさか、こんな夢みたいな話を警察に持込んで、捜索を願う訳にも行かぬので、庄兵衛氏はきっと幻覚であったに違いないと、強いても忘れる様にした。

鳥井青年

だが、不思議はそれで終らなかった。四五日たったある朝のこと、照子の嘗つての許嫁鳥井純一が、顔色を変えてやって来た。銀行へ出勤の途中、態々寄道をして、頭取の宅を訪れたのだ。

丁度その時庄兵衛氏は習慣の朝湯に入っていたが、急用と聞いて、いそいで湯殿を出て、応接間へ出て来た。

「実に不思議なことが起ったのです。