Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きょうふおう

恐怖王

江戸川 乱歩

Lisez 恐怖王 (きょうふおう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 66 038 caractères · 133 écrans

Aozora Bunko

相手の熱い呼吸が頬の産毛をそよがせた。

青年は、あぶら汗にまみれながら、ズルズルと悪夢の中に引ずり込まれて行った。何となく気違いめいて不気味に耐えなかったが、無論抵抗する気持はないのだ。

「ホホホホ、鳥井さん。分って? この意味が」

やっとしてから、闇の中に、ほがらかな笑い声が響いた。

「ア、その声は? あなたは誰です。照子さんではないのですか」

グッタリと倒れていた鳥井青年が、愕然として闇の中に目をみはった。することも、云うことも、照子とは思えなかった。それにあのまるで違った声。照子は全く気が違ったのか。でなければ、さい前からの闇の中の軟体動物は照子ではなく、誰か別の女だったのか。

「イイエ、照子よ。あなたの許嫁の照子よ。ホホホホ」

闇の中の声が又笑った。やっぱり照子の声だ。

「あたしね、いっそ、あなたを殺してしまい度いと思うわ」

その声と同時に、柔い蛇がスルスルと青年の首に巻きついて来た。

「およしなさい。サア、もう帰りましょう。お父さんやお母さんが、死ぬ程心配していらっしゃるのです」

と云いかけたその最後の言葉は完全に発音出来なかった。まきついた蛇が、段々力を加えて、息を止めてしまったからだ。