Classiques japonais avec furigana
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ゆうゆうそう
悠々荘
Lisez 悠々荘 (ゆうゆうそう) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 749 caractères · 4 écrans
去年ちゃんと刈りこまなけりゃ、この萩はこうは咲くもんじゃない。」
「しかしこの芝の上を見給え。こんなに壁土も落ちているだろう。これは君、震災の時に落ちたままになっているのに違いないよ。」
僕は実際震災のために取り返しのつかない打撃を受けた年少の実業家を想像していた。それはまた木蔦のからみついたコッテエジ風の西洋館と――殊に硝子窓の前に植えた棕櫚や芭蕉の幾株かと調和しているのに違いなかった。
しかしT君は腰をかがめ、芝の上の土を拾いながら、もう一度僕の言葉に反対した。
「これは壁土の落ちたのじゃない。園芸用の腐蝕土だよ。しかも上等な腐蝕土だよ。」
僕等はいつか窓かけを下した硝子窓の前に佇んでいた。窓かけは、もちろん蝋引だった。
「家の中は見えないかね。」
僕等はそんなことを話しながら、幾つかの硝子窓を覗いて歩いた。窓かけはどれも厳重に「悠々荘」の内部を隠していた。が、ちょうど南に向いた硝子窓の框の上には薬壜が二本並んでいた。
「ははあ、沃度剤を使っていたな。――」
Sさんは僕等をふり返って言った。
「この別荘の主人は肺病患者だよ。」
僕等は芒の穂を出した中を「悠々荘」