Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あくのはなたば
悪の花束
久生 十蘭
Lisez 悪の花束 (あくのはなたば) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 23 888 caractères · 48 écrans
内実を明せば、ベラールは大変な金持で、バルトウ氏の経済が逼迫するたびに、いつも救け船を出しており、バルトウ氏としても、一時の激昂で、掛替えのない水の手を、自分から切ってしまうのは、不利だと考えたのである。
その年は十何年ぶりという暑気で、七月十四日の共和祭が終ると、みな海や山へ出掛け、巴里が空になってしまった。議会も休会になり、バルトウ氏の捜査にたいする攻撃の手がいくらかゆるんだ。それに関係なく、尽せるだけの手をつくしたが、三週間になるというのに、バルトウ氏の指のかけらすら現われてこない。バルトウ氏の恩怨関係をくまなくさぐりまわったが、喧嘩早いバルトウ氏にしては、意外なほど各方面で気受けがよく、怨みのかかるような筋合はもっていない。それで残るところは、ベラールだけということになった。
半年前の紛擾を持ち越し、今日になって復讐するとも思えないが、なんといっても唯一のひっかかりだから、事件当時の行動を調査してみたが、まったくの無駄骨折だった。
ベラールは共和祭の騒ぎを嫌って、四人ばかりの友達を誘って、事件の前々日からブルターニュの領地へ帰り、十六日までそこの猟館に滞在していた。