Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あくむ

悪夢

豊島 与志雄

Lisez 悪夢 (あくむ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 930 caractères · 32 écrans

Aozora Bunko

私は時々、変梃な気持になることがある。脾肉の歎に堪えないと云ったような、むずむずした凶悪な風が、心の底から吹き起ってくることがある。先ず第一に、或る漠然とした息苦しさを覚える。何もかもつまらなくなる。会社の下っ端に雇われて、毎日午前九時から、午後四時まで、時には六時過ぎまで、無意味な数字を、算盤でひねくりまわしたり、帳簿に記入したり、そしてその間には、自分の用でもない電話をかけさせたり、ぺこぺこお辞儀をしたり、まるで機械のようになって働いて、頭と身体とを擦りへらしてしまい、そして満員の電車でもまれて、下宿に帰って、飯を食い湯にでもはいると、もう何をする気力もなく、冷たい煎餅布団にくるまって、ぼんやり寝てしまうの外はない。而もそういう生活から得らるる金と云ったら、僅かに六十円しかないので、日曜日がまわってきても、愉快な気晴しをする余裕はとてもなく、寝坊と夢想と散歩と活動写真くらいで、一日ぐずぐずに送ってしまう。一体何のために自分は生きてるのか? それを思うと、もう何もかも、自分自身も世の中も、つくづく嫌になってくる。そして一番いけないのは、こういう生活が、毎日同じように、際限もなく、末の見込や希望が一つもなく、ただだらしなく繰返されることである。