Classiques japonais avec furigana
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あくじゅうへん
悪獣篇
泉 鏡花
Lisez 悪獣篇 (あくじゅうへん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 715 caractères · 73 écrans
帆の白きより白衣の婦人、水紅色なるがまた一人、続いて前後に船を離れて、左右に分れて身軽に寄った。
二人は右の舷に、一人は左の舷に、その苫船に身を寄せて、互に苫を取って分けて、船の中を差覗いた。淡きいろいろの衣の裳は、長く渚へ引いたのである。
廉平は頂の靄を透かして、足許を差覗いて、渠等三人の西洋婦人、惟うに誂えの出来を見に来たな。苫をふいて伏せたのは、この人々の註文で、浜に新造の短艇ででもあるのであろう。
と見ると二人の脇の下を、飜然と飛び出した猫がある。
トタンに一人の肩を越して、空へ躍るかと、もう一匹、続いて舳から衝と抜けた。最後のは前脚を揃えて海へ一文字、細長い茶色の胴を一畝り畝らしたまで鮮麗に認められた。
前のは白い毛に茶の斑で、中のは、その全身漆のごときが、長く掉った尾の先は、舳を掠めて失せたのである。
二十二
その時、前後して、苫からいずれも面を離し、はらはらと船を退いて、ひたと顔を合わせたが、方向をかえて、三人とも四辺をして彳む状、おぼろげながら判然と廉平の目に瞰下された。
水浅葱のが立樹に寄って、そこともなく仰いだ時、頂なる人の姿を見つけたらしい。