Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おしみなくあいはうばう

惜みなく愛は奪う

有島 武郎

Lisez 惜みなく愛は奪う (おしみなくあいはうばう) de 有島 武郎 (ありしまたけお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 79 397 caractères · 159 écrans

Aozora Bunko

永劫の前に立つ私は何ものでもないだろう。それでも点が存在する如く私もまた永劫の中に存在する。私は点となって生れ出た。そして瞬く中に跡形もなく永劫の中に溶け込んでしまって、私はいなくなるのだ。それも私は知っている。そして私はいなくなるのを恐ろしく思うよりも、点となってここに私が私として生れ出たことを恐ろしく思う。

然し私は生れ出た。私はそれを知る。私自身がこの事実を知る主体である以上、この私の生命は何といっても私のものだ。私はこの生命を私の思うように生きることが出来るのだ。私の唯一の所有よ。私は凡ての懐疑にかかわらず、結局それを尊重愛撫しないでいられようか。涙にまで私は自身を痛感する。

一人の旅客が永劫の道を行く。彼を彼自身のように知っているものは何処にもいない。陽の照る時には、彼の忠実な伴侶はその影であるだろう。空が曇り果てる時には、そして夜には、伴侶たるべき彼の影もない。その時彼は独り彼の衷にのみ忠実な伴侶を見出さねばならぬ。拙くとも、醜くとも、彼にとっては、彼以上のものを何処に求め得よう。こう私は自分を一人の旅客にして見る時もある。

私はかくの如くにして私自身である。