Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わがやのらくえん

我が家の楽園

久生 十蘭

Lisez 我が家の楽園 (わがやのらくえん) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 90 195 caractères · 175 écrans

Aozora Bunko

「それで、どうしてくれというんだね?」

ヘンリ清水は額を叩いて、

「これはどうも……聞いちゃいなかったんですか? 洋館をお貸しねがうといっても、シュラーのことで、お気づかいをかけるつもりは、毛頭、ございませんので、さっそく、明日からでも、腕っこきのハウス・メードを一人住込みさせます……それで、お家賃のほうですが、階上と階下をつっくるみにして、週二十ドルというところでおさまっていただきたい……シュラーが日本へ来るのは、七月四日の独立記念日の前後だと思いますが、ご承諾ねがわれますれば、本日、すなわち五月十五日からお借りしたことにして、五、六、七と、十週間分の家賃を前払いいたしますが、いかがでしょう」

今を去る二十何年前、石田氏がアメリカの大学にいたとき、同学の合衆国美人を見染め、すんでのことに、青い目の黄色い息子か、髪の黒い白っ子の娘を生むところだった。

千々子さまとシュラーの関係にたいするヘンリ清水のうちあけ話は、石田氏にとっても、感慨無量なものがあったらしい。二十何年目に、賢夫人に復讐されたと考えたかどうか、それはともかく、なるほど親子は似るものだと、つくづく思い知らされたわけで、ぐっともいえないふうだった。