Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わがやのらくえん

我が家の楽園

久生 十蘭

Lisez 我が家の楽園 (わがやのらくえん) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 90 195 caractères · 175 écrans

Aozora Bunko

シュラー氏は玄関の前に立って、なつかしそうにあちこちと眺めている。そんなことは、あとでゆっくりやってもらいましょう。百々子はシュラー氏を、ジス・ウェイと千々子さまの部屋へ送りこんでから、賢夫人のところへ行って、

「奴さん、とうとう来ましたよ」と報告した。

約束の三十分がたっても、なんの合図もない。お茶を運ぶふりをして、ようすを見に行くと、シュラー氏と千々子さまは、二メートル以上も離れた椅子にかけ、シュラー氏が千々子さまに、紐育のクリスマスの話をしていた。

「ブルックリンの月が美しくなり、落葉がし、紐育に初雪が降ると、間もなくクリスマスが来るのですね。七面鳥のセミチとパイ・ア・モード……オーヴンのスープ煮込のなかで、玉葱をあしらった野鴨がぐつぐつと音をたてて……」

この調子では、たいした発展は望まれない。いったんひきとって、しばらくしてまた行ってみると、こんどはポートマックの桜の話をしていた。そのあげく、千々子さまに玄関まで送られ、なんのこともなく、ジープで帰って行った。

あのひとはだれなの、とたずねると、千々子さまは、

「シュラーの弟が連絡に来たのよ。