Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わがやのらくえん

我が家の楽園

久生 十蘭

Lisez 我が家の楽園 (わがやのらくえん) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 90 195 caractères · 175 écrans

Aozora Bunko

感じのいい家具を置いて、手のかからない、便利な生活をするといったようなことを」

石田氏は背筋を立てて、頭をうしろに反らして、一種、毒のある微笑をうかべた。

「おれとしては、夜昼、空家の張番に来るのはいやだから、便宜的に越して来たまでのことで、この先、ここに居つくかどうか、まだ、きめていない。それに、調達局の出方によっては、見せかけの洋式を取っ払って、もとの御所造りに復原することになるかも知れない。西洋の夢をみるのは、すこし早すぎるようだな」

賢夫人はシホのある眼で、様子よく笑いかえしながら、

「この家を、古ぼけた、むかし武家邸にかえすなんてのは、出来ないことでしょうね。調達局にしたって、補償のための掛引きだと思っているから、本気で聞いちゃ居りませんよ。子供の喧嘩みたいなことをいって、つまらない意地を張るより、この家を利用することを、考えるほうがいいわね」

「やれるなら結構だ、といいたいところだが、まず駄目だろう……貧乏が楽しいなどと言いながら、せっせと臍繰りを貯めていたことを、おれは知らないわけではない。しかし、それもおれの計算では、十五万にはなっていない。