Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あるさっかのやくび
或る作家の厄日
豊島 与志雄
Lisez 或る作家の厄日 (あるさっかのやくび) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 284 caractères · 21 écrans
その好意で、まずまずおれは助かった思いがした。
ところで、問題は、その原稿だ。暑気のせいもあり、過労のせいもあって、どうも仕事がうまくいかない。仕事が運ばないと、なおさら酒を飲むし、飲んだあとは心身ともに虚脱的になり、仕事はなお出来にくい。いたちごっこで、自分を訶んでるようなものだ。焼酎、日本酒、安ウイスキー、その混合の毒にもあたり気味だし、頭脳を明晰にする筈の薬剤の作用も、重複すれば却って頭を濁らすらしい。だが、これも一時のことだと、自信はある。
それはとにかく、さし迫って原稿を書かなければならない。而も、時間の余裕はない。相馬多加代との約束は、何よりも重大だ。
人生、窮すれば通ずで、おれも窮余の策を発見した。ノートにめちゃくちゃに書きつけた小説断片があるのを、思い出したのである。他日何かに利用するつもりのなぐり書きで、単独の使い物にはならない。然し、アプレ・ゲールのデフォルマシオンとして、案外、読者の眼をごまかせるかも知れない。内容が古くさいのは何とも致し方ないが、これとても、一種の皮肉として通用しないとも限らない。一人の男をめぐって、その細君と馴染みの芸者との間の、とんちんかんな変梃ないきさつの事実メモだ。