Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あるひのたいわ

或る日の対話

豊島 与志雄

Lisez 或る日の対話 (あるひのたいわ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 277 caractères · 11 écrans

Aozora Bunko

「そんな、拵えもののお伽噺は、やめたがよかろう。」

彼は私の方をじっと見ながら、暫く黙っていた。それから笑った。

「だがね、たとえお伽噺にせよ、最後のところは、お前の口癖をまねたんだぜ。」

「いや、俺はどんなことにも、眉をひそめやしない。」

「きっとか。それならば、こういう事柄をどう思うか。」

こんどは、彼が煙草をふかしはじめた。そして言った。

「俺は嘗て中国に旅行した時、田舎の貧しい町の商店を見て、淋しく思った。その店々には、商品らしいものは殆んどなく、人間のけはいも乏しく、ただがらんとして佗びしく、そして乱雑で埃がいっぱいたまっていた。ところが、近頃の東京の店々が、それと全く同じじゃないか。商品と人間との影が薄らいで、乱雑ながらくたと日を経た埃とだけが、商店の内部にのさばっている。銀座通りにまで、まだそんなのが多い。――これをお前はどう思うか。

「また俺は、嘗て台湾に旅した時、本島人の住む街路で、人家の出入口などに、大きな石や煉瓦がころがっているのを、しばしば見かけた。ちょっと取り片付ければなんでもないのに、いつまでも通行の邪魔になるままに放置されていた。