Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あるそびょう

或る素描

豊島 与志雄

Lisez 或る素描 (あるそびょう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 802 caractères · 24 écrans

Aozora Bunko

「碁会所に大勢人が居並んでるところを見ると、僕は変に憂欝になってくる。狭苦しいところに、何人もずらりと向き合って一日中坐り通して、白と黒との小さな石を掴んで、首をひねって考え込んでいて、あれで何が面白いのかな。亡国の民という感じだね。もしくは、世紀末の遊民……というにも余りに気が利かなさすぎる。全く亡国の遊民だね。日本にもあんな連中がいると思うと、不思議な気がするよ。」

それが、冗談ではなくて、至極真面目に云ってるのだった。

「だって君も、以前は……。」

「毎日のように通ったさ、だが、面白くないからぴったり止しちゃったじゃないか。」

そして彼は腹立たしそうに口を噤んだ。

そういうことは、まだ罪のない方だったが……。

或る時彼は、画集を集めることに心を向けだした。古本屋をあさり歩いては、面白い画集を買い求めた。然し、乏しい彼の財布では、それは容易なことではなかった。極端に小遣を倹約しても、月に三四冊買えるのが漸くのことだった。そして、金がないところへ面白い画集が見付かると、着物を質屋へ持ってゆくことさえあった。

そのうちに、やがて彼はまた画集にも興味を失ってしまった。