Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ピッチャーさつじんじけん

投手殺人事件

坂口 安吾

Lisez 投手殺人事件 (ピッチャーさつじんじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 28 243 caractères · 57 écrans

Aozora Bunko

それを見ると、木介が、すれ違いざま、頓狂な叫びをあげた。

「アレレ。この人は手品使いかな。昨日は鳥打帽に黒っぽいマフラーだったぜ」

煙山はギロッと木介を睨みつけて、居古井警部の前に立った。すすめられて椅子にかけると、彼はクスリと笑って、カバンをあけ、

「ホレ。鳥打と黒っぽいマフラーはここにあります。私らはなるべく人目を避けねばならぬ商売だから、いろいろ要心しますな」

「なるほど。上野光子さんも、そう申しておられましたよ」

「彼も女子ながら、相当、やります」

「あなたは昨日、契約金と契約書を持って、上方へ乗りこんでいらしたのですね」

「その通りです」

「大鹿選手と契約を結ばれたのは、何時ごろですか」

「イヤ。それが奇妙なのですよ。汽車が米原へつくと、大鹿が乗りこんできたのです。どうして、この汽車に乗ってることが分ったか、ときいてみますと、そうと知ってたわけではないが、とてもジッと京都に待ってられない不安におそわれ、フラフラと米原まで、急行を迎えに出たというんですね。米原京都間は急行はノンストップです。それで、上野光子とのイキサツなども車中で話してくれましたが、イヤ、心配するな、安心しろ、というわけで、汽車の中で、契約書を交して、三百万渡してやりました。