Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おしえのきせき

押絵の奇蹟

夢野 久作

Lisez 押絵の奇蹟 (おしえのきせき) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 58 749 caractères · 114 écrans

Aozora Bunko

それは前とちっとも変らぬ眼鼻立ちでありながら、心持ち面長になって、頤や、襟すじに、ほの白い青味がかって参りますと、お白粉なぞはちっともつけないままに、そのあたりがお母様と生きうつしの恰好に見えて来るので御座いました。毎日毎日見るたんびに、それがハッキリとわかって参りまして、しまいには、あの犬塚信乃と阿古屋の眼鼻や唇をつけたお母様が、チャンと鏡の中に、御坐りになって私を見ておいでになるとしか思えない位になって参りました。

そのお母様のお姿は、又、奇妙にも、あのお父様からお斬られになるすこし前の、何ともいえない神々しい、清らかなお姿に見えて来てしようがないので御座いました。そうして、そのお姿を一心に見つめておりますと、そのうちに、その鏡の中のお母様の唇が、おのずと動き出しまして、その間際に仰有ったお言葉が凜々とすき透って、私の耳に響いて来るのでした。

「私は、不義を致しましたおぼえは毛頭御座いませぬ……けれども、この上のお宮仕えはいたしかねます」

というように……。

そのお声をきくたびに、私はいつもハッとして、うしろを振り返らずにはおられませんでした。