Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
りゃくだつせられたるおとこ
掠奪せられたる男
豊島 与志雄
Lisez 掠奪せられたる男 (りゃくだつせられたるおとこ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 23 398 caractères · 48 écrans
そしてその後で父は失敗してしまったので、どうにもすることが出来なかったわ。許婚の人も居たんだけれど、寄りつきもしなくなったわ。あなた許婚なんてこと嫌いだわね。私も嫌いよ。で、けっきょくその方がよかったわ。それから種々な惨めな目を見て来たわ。一日御飯を頂かないことなんかもあってよ。それから……こんな身になるまでには、それは話しきれないほど種々なことがあったわ。あなた小説にお書きなさらない。それなら話してあげるわ。ただ話したってつまらないもの。」
彼女はもういつのまにか茶化したような調子になっていた。然し山田は執拗に質問を続けた。
「あの年取った女の人が時々来るではありませんか。あの人は?」
四十位の足の短いでっぷり肥った女が、秀子の家に訪ねて来るのを山田は二三度見かけたことがあった。身体の不恰好なわりに、いつも茄子紺の紗の羽織なんかを着込んで、両手の指に大きい金の指輪を光らしていた。
「あ、あの人、あれは私の知った人よ。」そう云いかけて彼女は妙な薄ら笑いをした。「でもあなた一体どうなさるの、そんなことを聞いて。丸で身許調でもなすってるようだわ。それとも……私と結婚でもなさるおつもり? そうね、あなたに結婚でも申込まれたら、私、……どうしましょうかね。