Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たんていしょうせつとおんがく

探偵小説と音楽

野村 胡堂

Lisez 探偵小説と音楽 (たんていしょうせつとおんがく) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 397 caractères · 7 écrans

Aozora Bunko

その頃K子は鎌倉に住んでいて、私は東京の家から一週間に一度位ずつ見舞って居たが、ある日不意に訪ねて行くと、「気味の悪い手紙が来て居るのよ、不良少年の悪戯かも知れないと思うけれど、どうしたものでしょう」と、兄妹達と一緒に、全くおびえ切って居るのであった。

私はたった一と眼で、それは極めて簡単な暗号に違いないと思った。

五分ばかり考えた後、「K子、私が読むのを其処へ書いて御覧」、私はそう云い乍ら翻訳して行った。その文句は――K子さん御機嫌はいかが、この三四日はすっかり春らしい良い気候になったのね――と言った、世にも他愛の無いもので、それはK子の一番親しい友達の悪戯に過ぎないことがわかったのである。

この十年前に病床のK子を驚かした楽譜の暗号手紙を、最近K子の遺した手紙の束の中から発見して、私は不思議な感慨に打たれたことであった。

それは兎も角として、こんな罪の深いのではいけないが、楽譜でどんな暗号の手紙が書けるか、恋人同士、友人同士で試して見るのも面白いではあるまいか、若い人にはそれ位の悪気があっても決して悪くはないだろう。

神秘小説の題材として、音楽を使ったものは甚だ少くない。