Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

「すいりしょうせつ」

「推理小説」

宮本 百合子

Lisez 「推理小説」 (「すいりしょうせつ」) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 217 caractères · 5 écrans

Aozora Bunko

けれども、一人の民主的作家としてわたしは、別な角度からこの事件に感じているところがある。

自殺であるにしろ他殺であるにしろ、下山総裁の死は、国鉄の大馘首と直接関係がある。七日の時事その他は、技術畑出身の地味な性格の下山氏が、その性格をかわれて六月に総裁となり、こんどの十六万人の整理問題について、非常に苦慮していた。「切ないがわが道をゆく」、「部下への思いやりに苦しむ」という記事は、下山氏の人間ぽさを、わたしたちに感じさせた。まして国鉄本省にあらわれた下山氏がとりみだしていたという姿は、一日に千余通送られていた人民の哀訴の手紙と、権力に奉仕する官僚としての板ばさみの立場に苦しむ同氏の心の乱れのほかではないだろう。

死の過程がどうであったにしろ、下山氏の死の本質は政治屋でなかった同氏が、十六万人の従業員ともども、吉田政府の犠牲となったといえるものである。

各新聞を注意ぶかく読んでいる人は、誰しも心づいたことだろう。下山氏の死亡、その人間としての立場から同情的にあつかった記事は、一日ぐらいしか出なかった。日本の政府は権力に忠実な人格者英雄をつくることがさきであり、美談ずきなのに、下山氏の事件は、犯罪的な疑惑へと一般の関心を導くことに専念されている。