Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうきゅうしつのしちにん

撞球室の七人

橋本 五郎

Lisez 撞球室の七人 (どうきゅうしつのしちにん) de 橋本 五郎 (はしもとごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 589 caractères · 12 écrans

Aozora Bunko

問題の兇器の行方の知れないことがそれであった。

係官の推理の跡を辿って見ると、これが他殺に間違いないから、犯人は明白以上にこの南洋の男でなければならない。そのことは私にすらが充分うなずかれた。が兇器は? この問題になるともう五里霧中だった。他に何等の手掛りもない事件であった。

窓は、夕暮のほの寒さに皆ぴったりと閉めてあった。入口は、やはりこの商売の常で磨硝子の扉が閉されていた。床にもさけ目などは全然無かった。帳場の押入れまで係官の一行は調べたのである。七人の男も、ひとりとしてその間、この室から出て行ったものはないのである。そして兇器は何処にもない。

傷は、たしかに短刀様の物でやられたことを物語っている。警察医はこの点署長に向って、若し見込み違いの時は直ちに辞表を呈出する、と断言したくらいであった。

南洋の男をつれて、殺されたもじりを運んで、一行はついに警察署へ引きあげて行った。が問題の兇器の行方は、いったいどう解決するのであろうか。よし南洋の男が犯行を自白するようなことがあったとしても、致命傷を作った兇器の出現が望めない時、社会は又警察が罪人を造る――法以外の鞭によって心にもない自白をなさしめた――そう騒ぎ立てるのではあるまいか。