Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ばんしゅうへいや

播州平野

宮本 百合子

Lisez 播州平野 (ばんしゅうへいや) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 106 683 caractères · 214 écrans

Aozora Bunko

縫子は、自分の思いつきとして、麦を焙じ、もち米を加え、みんなで挽いたのであった。丸罐には、白砂糖が入っていた。直次の友達が、重吉の帰りをきいて、祝いにくれた。そして、一足の靴も入っていた。進三が中支にいたとき買って送ったのを、重吉のために、母がくれた。それらが、網棚のリュックのなかみである。

ひろ子は、来たときのままの装で、紺絣のモンペをつけ、さきの丸まっちい女学生靴をはき、東に向って進む座席にかけていた。

こういう事情になってみれば、ひろ子が網走へ行けなかったということも、あながち不便ばかりではなかった。そして、東京の弟の家が焼けのこっていることも、重吉とひろ子にとっての大きな仕合わせと云えた。その家は、北側の垣根一重むこうまで焼けて、浅い庭木越しには何里とその先に続く焼野原であった。水道が出ないにしろ、まるっきりガスが出ないにしろ、そこには、住むところがある。二人で、住むところがある。何と馴れない、痛いように新鮮な感じだろう――二人で暮す、という言葉は。ひろ子が重吉の妻になって、一つ家に住んだのは、二ヵ月足らずであった。その二ヵ月足らずの、いそがしい、出入りの多い朝夕を送った小さな細長い二階家は、今残っている弟の家から西北数丁のところにあった。