Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はせくらじけん

支倉事件

甲賀 三郎

Lisez 支倉事件 (はせくらじけん) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 204 697 caractères · 406 écrans

Aozora Bunko

「そうか、それからもう一つ聞くが、お前は前後三回も火事に遭っているね」

「遭っている」

支倉はうなずいた。

「同じ人が三度も続けて火事に遭うのは奇妙だと思わないか」

「別に奇妙だとは思わない。非常に運が悪いと思っている」

「然し、運が悪い所ではないじゃないか。お前は火事の度に保険金が這入り、だん/\大きい宅に移っているじゃないか」

「そんな失敬な質問には僕は答えない」

支倉はきっと大きい口を結んだ。

「答えない訳には行かないぞ」

主任は冷笑した。

「お前はその火事がいずれも放火だと云う事を知っているだろう」

「三度とも放火だかどうだか知らないが、神田の時は放火だと聞いた」

「お前が放火をしたのだろう」

「以ての外だ。僕はあの火事の為に大切な書籍も皆焼いて終って、大変迷惑したんだ。冗談もいゝ加減にして貰いたい」

「黙れ」

主任は堪えていた癇癪が一時に破裂したように呶鳴った。

「宜い加減な事を云って事がすむと思うと大間違いだぞ。俺の云う事には一々証拠があるのだ。根もないことを聞いているのではないぞ」

「証拠?」

支倉は少しも動じない。

「どんな証拠か知らぬが見せて貰いたいものだ」