Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はせくらじけん

支倉事件

甲賀 三郎

Lisez 支倉事件 (はせくらじけん) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 204 697 caractères · 406 écrans

Aozora Bunko

「先生、どうぞ懲らして下さい。許して下さい。そうして救って下さい」

支倉は殆ど泣かん許りに掻口説いた。

お茶を運んで来た夫人はさっきから襖の外に佇んでいた。

「そう興奮しないで静かに話して下さい」

神戸牧師は宥めるように支倉に云った。

「先生、私は大変な罪を犯したのです。汚れた罪なのです」

「どんな汚れた罪でも償えない筈はありません。話して御覧なさい」

「先生、私は女を犯したのです。無垢の少女を。私は前に云った通り性慾の醜い奴隷なのです。実は一月許り前に妻が郷里の秋田へ帰りました。その留守の閨淋しさに私は女中の貞に挑みかゝり、とう/\暴力を以て獣慾を遂げて終ったのです」

支倉は云い悪くそうにポツリ/\と口を切りながら、漸く自分の罪を云い終ると、じっと顔を伏せた。

神戸氏は支倉の意外な告白に些か驚きながら、

「それは飛んだ事をしましたね」

「私の罪はそれだけではありません」

やがて支倉は顔を上げて、情けなさそうに云った。

「私は女に忌わしい病気をうつして終ったのです」

「え、え」

泰然として聞いていた牧師も余りの事に思わず声を上げた。彼はそんな忌わしい病気に犯されているのだろうか。