Classiques japonais avec furigana
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はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
Lisez 支倉事件 (はせくらじけん) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 204 697 caractères · 406 écrans
僕は休息したいから、後を又石子達に頼む事としよう」
そう云いながら主任は力なげに出て行った。やがて、石子と渡辺が荒々しく這入って来た。
「おい、支倉」
石子はいきなり呼びかけた。
「未だ白状しないのか。往生際の悪い奴だ」
「いつまでも強情を張ると痛い目を見せるぞ」
渡辺は呶鳴った。
「支倉君」
根岸刑事が云った。
「この二人は若いから、ほんとに君をどんな目に遭わすか知れないよ。そんな詰らぬ目に遭ってから云うよりは、今云った方が好くないか。どうせ云わねばならぬ事だから、その方が得と云うものだぜ」
「得だろうが損だろうが、少しも知らぬ事は云えぬ」
夜は次第に濃くなって行く。ガランとした刑事部屋の真中に坐らせられた支倉の頭上には、高く薄暗い電燈が只一つ灯いているきりで、凹んだ眼、尖った頬骨、大きな鼻と凹凸の多い彼の顔にクッキリとした影をつけて、彼を一層物凄く見せていた。
「よしっ、そんならお前に見せるものがあるっ」
そう叫んで石子は何やら白いものを取り出したが、支倉は一目見ると、
「あっ」
と叫んだ。
支倉が一目見るより、あっと叫んだのは何事か。石子刑事の取り出したものは白く曝れた髑髏だった。