Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きられたさに

斬られたさに

夢野 久作

Lisez 斬られたさに (きられたさに) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 352 caractères · 41 écrans

Aozora Bunko

「……おお……よい湯じゃったぞ……」

「おそれ入りまする。あの……まことに何で御座いますが、あちらのお部屋が片付きましたから、どうぞお越しを……」

「ハハア。身共は二階でよいのじゃが……別に苦情を申した覚えはないのじゃが……」

「……ハイ……あのう……主人の申付で御座いまして……」

「……そうか。それならば余儀ない」

平馬は鳥渡、妙に考えたがそのまま、女に跟いて行った。女中は本降になった外廊下を抜けて、女竹に囲まれた離座敷に案内した。

十畳と八畳の結構な二間に、備後表が青々して、一間半の畳床には蝦夷菊を盛上げた青磁の壺が据えてある。その向うに文晁の滝の大幅。黒ずんだ狩野派の銀屏風の前には二枚襲ねの座布団。脇息。鍋島火鉢。その前に朱塗の高膳と二の膳が並べてある。衣桁にかかった平馬自身の手織紬の衣類だけが見すぼらしい。

お小姓上りだけに多少眼の見える平馬は、浴衣がけのまま、敷居際で立止まった。

「……これこれ女……」

女は絹行燈の火を掻立てながら振返った。

「そちどもは客筋を見損なってはいやらぬか。ハハハ……身共は始終、この辺を往来致す者……斯様な部屋に泊る客ではないがのう……」